●テイスティングノート
ピノブランとピノグリのフィールドブレンド。カモミール、シトラス、オレンジに焼いたリンゴのアロマ。白いネクタリンを思わせる、爽やかな酸味と程よい苦みが心地よく織り交ざった味わい。

ワイン最大産地のMarlborough Rapauraの畑（石を多く含む沖積砂質土壌）で有機栽培されたブドウを手摘みによって収穫、足で優しく破砕しプレスしたジュースを畑の中央へと戻し、野生酵母により自然醗酵（同日に収穫し混醸、オーク樽）。20 日ほど畑に置いた後、ワイナリーへ移され澱と共に6ヵ月熟成。ごく少量の亜硫酸と共にボトリング。ノンフィルター、清澄剤不使用。

●ワイナリー 【Atipico / アティピコ 】
37歳の才能溢れる若き醸造家兼Atipicoオーナー、JordanHogg（ジョーダン・ホッグ）。ジョーダンがアティピコ（スペイン語でユニークを意味）を設立したのは2021年。既に「Rock Ferry」で醸造責任者として活躍していましたが、より個性的で特別なワインを造りたいと自分自身のレーベルを設立。NZの最優秀若手醸造家（Tonnellerie de Mercurey主催）という栄誉を2016年弱冠30歳で勝ち取り、自らが命名した「Vinsitu / ヴァン・シトゥ (フランス語の“ワイン”とラテン語“本来あるべき場所で”を組み合わせた造語」というアプローチで本当に飲むべき価値がある特別なワインをリリースする男です。

ジョーダンが造るワインは、何の誇張もなく全て文字通り「畑で」産まれます。ブドウはマールボロにおいても高品質なワインを産み出す地域として注目を集めているRapauraに位置しており、ジョーダンが醸造責任者を務めているワイナリー「Rock Ferry」が所有し有機栽培（BioGro 認証）によって大切に管理している畑（以前は川底だった、小石を多く含む沖積砂質土壌）。収穫されたブドウは畑の中央に植えられたプラムの樹の下で古樽（大きめのパンチョン樽）に入れられ、人の足によって潰され、その場から動かさずに畑に自生している野生酵母によって自然に醗酵が始まるのを待ちます。これこそがジョーダンがヴァン・シトゥと呼んでいる手法。

ジョーダンは幼少期をチリで過ごし、大学院では生物学の学位を取得。その後ブルゴーニュでビオディナミを実践している畑の収穫に参加したり、アルザスやボージョレ、イタリアでナチュラルな造りを実践している造り手たちと交流しワインへの造詣を深めていき、2013年からはNZの「Seresin」で働くように。当時まだNZでナチュラルワインは一般的ではありませんでしたが、ジョーダンにとって造るべきワインとは自然に寄り添う姿勢からこそ産まれるものであり、周りに何と思われようともその信念を貫いてきたと言います。だからこそ彼のワインはマールボロのある意味予定調和的とも言えるイメージを見事に覆す、実に刺激的な魅力を我々に見せつけてくれるのです。

●評価/受賞歴
Young Winemaker of the Year / 最優秀若手醸造家（2016 Tonnellerie de Mercurey）

●備考
ブドウ品種：ピノブラン71%、ピノグリ29%
ヴィンテージ：2023
アルコール度数：13%
容量：750ml
備考：コルク（DIAM）