日本人栽培醸造家コウヘイ氏が作るエコロジカルなクラフトワイン
「グリーンソングス」は、「富乃宝山」や「吉兆宝山」の芋焼酎などで知られる西酒造が北島・グラッドストーンで所有するワイナリー「Urlar/アーラー」の「吟味蔵」として位置付けられるワインです。葡萄畑とワイナリーで絶え間なく新しいことに挑戦するため、小規模生産で想像力をフルに発揮し、常に新しいスタイルのワイン造りに取り組んでいます。そのワインが友人や家族に紹介できるほど面白いと感じるものをグリーンソングスとしてリリースします。
栽培醸造家の小山浩平氏は青森県出身。東京大学卒業後、東京、ロンドンなどの金融機関で11年間働き、赴任先のロンドンでワインに目覚めました。理想のワイン造りを求めて、家族でニュージーランドに移住。南半球て?最も古い農業学校て?あり、そして世界的な研究機関としても名高い「リンカーン大学」で学び、ブドウ栽培・ワイン醸造学科を首席で卒業。
DuMOL(米国カリフォルニア・ロシアンリバー)や Bell Hill、Muddy Water/Greystone (ニュージーランド・ワイパラ)などで栽培醸造経験を積んだ後、ネルソン近郊のパーマカルチャーエコビレッジ内でブドウ栽培・ワイン造りを開始。栽培から醸造までの全てを自身で管理する栽培醸造家として注目されてきました。
URLARの栽培醸造総責任者就任を期に、拠点をグラッドストーンへ移し、挑戦的な吟味蔵としてグリーンソングスのワイン造りにも取り組んでいます。
緻密な畑造り
31ヘクタールの自社畑からグリーンソングスに使用する葡萄は混植ブロックなど個性的なヴィンヤードを含みます。全てのヴィンヤードで土壌に生命力を与え、バランスの取れた持続可能な栽培を行います。バイオダイナミック農法を活用し、太陽、月、天体なと?の動きの影響を考慮した作業を行います。樹間には毎年様々な植物や野の花を植えています。ソバ、ルピナス、イラクサ、タンポポ、ノコキギリソウなと?の花は益虫を呼び寄せ、健康なブドウ樹の維持に寄与します。 バイオダイナミック農法としては、実際に試して効果が実感でき、理論的にも納得いくものを順次取り入れてきました。例えば敷地内で放牧するハイランド牛を活用し、水牛の角に牛糞を詰めたものを1年間土中に埋めた後、掘り出したものを雨水で希釈して畑に散布したりします。その他にはシリカ(水晶)、ヤロウの花、カモミールの花、イラクサ、オークの樹皮、たんぽぽ、カノコソウ、スギナを使用した調合剤を実際に取り入れています。